１．講演タイトル：　　「分散PDSとパーソナルAI」

２．開催日時：　２０２４年 ７月１９日(金)　　１５：００～１６：１５
　　　　　　　　　　（オンライン開催）　　　　講演 ６０分、Q&A １５分　

３．講師：　橋田　浩一（はしだ　こういち）氏 　　　　　 　　理化学研究所革新知能統合研究センター 　　　　　　　　分散型ビッグデータチームリーダー 　　　　　　（元、東京大学大学院情報理工学系研究科教授）

４．講演概要：　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　パーソナルAI(PAI)とは、特定個人に専属し分散PDSのデータを用いて利用者との対話に応じて多様なサービスを仲介(選定・実行)するAIである。人間はアプリやWebサイトを操作しなくてもPAIに言えばいろいろなサービスを受けられるのでデジタルデバイドが解消する。各PAI利用者の手もとには仲介されたサービスに関連するデータが自ずと集約され、それを分散PDSに保管することにより、そのデータをPAIがフル活用してデータの価値を最大化できる。さらに、分散PDSのデータを多くの利用者から収集し分析することにより各PAIの価値を評価でき、各利用者はその評価が高いPAIに簡単に乗り換えることができるので、PAIの価値が保証される。また、サービス提供者は分散PDS経由でPAIにつながることによりサービスの利用を大幅に増やすことができる。一方、利用者の認知バイアス等に付け込んで注意や行動を操作することができなくなるので、注意経済と監視資本主義が終焉する。

５．講師プロフィール：　
　1981年東京大学理学部情報科学科卒業。1986年同大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。1986～2001年電子技術総合研究所。1988～1992年(財)新世代コンピュータ技術開発機構(出向)。2001～2013年産業技術総合研究所。2013～2024年東京大学大学院情報理工学系研究科教授。2020年～理化学研究所革新知能統合研究センター社会における人工知能研究グループグループディレクター。言語処理学会会長、日本認知科学会会長などを歴任。最近の研究テーマはパーソナルAIとそれに基づくオープン市民科学。

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